レビュー◆ドーリィナイト
タイトル | ドーリィナイト |
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発売日 | 2004/03/19 | ||||
私的ランク | ★★★★ | ||||
制作元 | パペット | ||||
ジャンル | ゴシックホラー系ビジュアルノベル | ||||
定価 | ¥6800 | ||||
対応 | Windows98/Me/2000/XP | ||||
年齢制限 | 18禁 | ||||
ボイス |
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攻略 | 攻略チャートは → 【コチラ】 | ||||
内容 | ある日の夜、裏路地にあるゴミ捨て場で目を覚ました少年・ジュンナ。ここはどこなのか、なぜここにいるのか、そして自分は誰なのか、ジュンナは何一つ思い出すことができない。 ジュンナを起こした少女・ヒナは「探して欲しいの…」と告げて消えた。 サイレンの鳴り響く中、ジュンナはマントを纏った一人の男とすれ違う。 郷愁を覚えたのも束の間、マントの男・アルスタットは月明かりに消えていく。 連続猟奇殺人事件の犯人を追う刑事・タガミ、ジュンナが出会った人形師・タスク。 記憶を失ったジュンナは、ヒナの言葉にあてもなく「何か」を探し始める…。 この街で起こる殺人事件の真相とは? 失われたジュンナの記憶は…? ヒナが探し求める『何か』とは?
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システム & 機能 |
・テキストのスキップ:あり(既読判別:可) ・読み直し機能:あり ・CG鑑賞モード:あり(83枚)←パーツ替えを含むと96枚 ・シーン鑑賞モード:あり(10シーン) ・BGM鑑賞モード:あり(10曲) ・セーブポイント:96 ・END:7 キャラ別ボイスオンオフ:あり 右クリックの機能選択:可 |
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感想 | 文章は結構微妙で、CGはデッサン崩れ激しくて、システム周りは若干しょぼくて、選択肢が3~5個しかない完璧ビジュアルノベルでしたが、おもしろかったです。 キーワードはゴシックホラー・サスペンス・猟奇・ドールでしょうか。 “ドール”という言葉にひなびた雰囲気を感じる人にオススメ…、だと思う。 猟奇にはそこまで拘らない方がいいかも。 ローゼンメイデンの裏設定やシリアス側の雰囲気に近いかな。 でも、決して万人にお勧めできるゲームではないです。質的に…。 あとβ版出荷でも有名なゲームですね。私はずいぶん後に買ったのでその騒動とは関わりありませんでしたが…。 ■シナリオ かなり好みでした。設定的にも文章的にも。波長が合うとでも言うのかなぁ。笑うシーンで素直に笑えるシナリオはめずらしいです。 完全に私的好みなので、というか私の笑いのツボは外れていることがあるので、他の人に当てはまるかどうかはわかりませんが。 文章的には突っ込むところが多かった気がしますが、楽しんでいたため気にならなかった要素は大いにあり。 いつもなら、たぶんジュンナがちょっとウザイかも…となる気がする。相手の考えを理解できない所とか、そこまで情報があれば答えわかるだろ!と言いたくなる察しの悪さとかで。 しかし、違和感を回避できる設定があるため無問題。 最初からジュンナがドールだと思い込んでいたため、まったく気になりませんでした。おかしな所があっても、まあドールだし…、と脳内で片づけられる。 やっぱり「設定」って便利ですね~。 もしかして、ローゼンメイデン見ていた影響がでかいのか? 一部、テンポが悪いかな。思わず苦笑してしまうようなセリフ回しとか。 ボイスを最後まで待っていられないことが多かったです。 恋愛に至るまでの心理描写も足りません。いきなり感バリバリ。 展開がなかなか進まずのろのろかと思いきや、後半怒濤のように押し進んだりでバランスはちょっと悪いかも。 選択肢が3つしかないビジュアルノベルなのに長すぎです。 初回プレイが7時間半もかかりました…。最後の選択肢が終わってから、たぶん4~5時間くらいかかってEDに…。ただただ一本道。 幸いにも飽きはしませんでしたが、もう少しコンパクトにまとめてほしかったです。冗長になりかねない。 細かいことですが、文末に句点がないことが多いのが気になります。()「」などの閉じカッコの直前にないのは当たり前だけど、普通の地文の末尾にはあるのが普通なのになぁ。 個人的には一つのウィンドウでセリフは一旦閉じて欲しい。次に連続で同じキャラのセリフで良いから。"「"が冒頭にあって、同一画面に"」"がないのが、見ててどうも不安定で…。 不自然に改行することも多いですね。なんで改ページする必要があるのか不思議なカ所がちらほらと…。 誤字脱字も若干多め。 思いっきりタスク萌えでした。“萌え”、というか大好きなキャラだ。 タガミ曰くの「嫁入り前の娘を持つ父親」。 タスクEDはイマイチでしたが…。タスク×ジュンナにエロさやHシーンは求めてないんです。甘々をちょうだい…。触れ合いが欲しかったです。タガミルートみたいなキスシーンがあればいいんじゃないかと思うのですよ。 タガミルート・ハルヒルートのタスクパパが好きだー! ■キャラ別プレイ日記(完全ネタバレ) → タスク・タガミ ・ ハルヒ・ユガ・アルスタット・セレン・ツワブキ ■CG・原画 もともとの絵的には好きなタイプなのかなぁと思います。しかし、デッサンやら何やらヤバ過ぎ。CGごとにキャラの顔が違う、というのは言い過ぎですが…。 とりあえず別人のような顔なら1ルートに2枚はありますね。 オフィシャルのキャラクター紹介にいるアルスタットは別人です。あれは取り替えた方がいいんじゃないだろうか…。怖いよ、あれ。 アルスタットの顔CGをクリックすると立ち絵CGが見られます。この立ち絵CGの顔がゲーム中で一般的に使われているヤツです。 原画もアレですが、塗りもヤバイ気がする。どうも塗りに統一感がありません。 一番塗りがキレイだったのが、女装してクマに抱きついているCGだと思えるのはどうだろう…。塗り方自体が他とは違うのか、えらく丁寧ですよ~。ドレスの柄が繊細なせいか? タスクが店の前で思案顔しているCGが好きです~。一瞬だけ表示されたのがとても印象的。 ■サウンド タスクの声が好きです~。知らない人ですが。 ヒナのかん高い声が辛かったです。特にヘッドフォンしてると、直接耳に入ってきて響き渡る…。女性声は耳障りになりやすいので小さめにして欲しい。 全体的に演技はそこまで上手いという感じではなかったかなぁ。普通な感じ。 正気なアルスタットと異常なアルスタットの声は使い分けて欲しかったですね。 BGMはうまく使われている時もあれば、なんだコレの時もあり。もうちょっと使い分けてくれー。 ■システム・機能 環境設定画面は1ページに収めて欲しいですね。面倒くさい。 ちょっとしょぼいです。 オートモードがありません。BGMのボリュームは変えられますが、効果音とボイスのボリュームは一定です。バックログでボイスの再生もできません。 メッセージのスピードは3段階のみ。まあ、オートがないので最速さえあればいいですが。 救いは右クリックリターンができること。そして、プレイ中に右クリックした時の動作を選べること。右クリックにバックログを指定しておくと、かなり楽です。さらにバックログはマウスのスクロールボタンに対応していますので、カーソルを動かさずに操作可能。 これらがなかったら、かなりツラかっただろうな…。これらがあったからギリギリセーフです。まあまあ快適にプレイできます。 スキップは遅め。 非アクティブ時はすべての動作を停止。 エンドロールは一気にスキップできません。地道にCtrlキーを押し続けるしかない…。のろのろとスキップされます。 作り込み感がやや足りない。 バックログの表示がすごい適当。見にくいし。BGM鑑賞画面もちょっと適当な印象を受けます。 セーブ時にはせめてセーブした日時が表示されるといいなぁ…。 なぜか、無駄にセーブできる数は多いのですよね。このほぼ一本道ノベルのどこにそんなセーブ数が必要なの? なんでゲーム画面が小さいんだろう。648×523という中途半端な大きさ。800×600は標準で装備して欲しいのですが…。表示が小さいと見にくいです。 シーン鑑賞がHシーンしか、しかも10シーンしかないのは寂しいなぁ。エピローグとかも入れて欲しいところ。 三つの謎がうまく交差していて、なかなか興味深い展開でした。すべてが明らかになるのが非常におもしろかったです。プレイ中はハマりました。 ただ、終わったあとは何も残ってないかも。「あーおもしろかった、終わり!」で完全に終わるタイプのゲーム。こういうタイプもめずらしい。 (2005/06/19)
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