ボーイズラブゲーム 攻略&レビュー

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レビュー◆スクエアな関係 ~ぼくらの恋愛心理学3~

タイトル スクエアな関係 ~ぼくらの恋愛心理学3~
発売日 2007/09/21
私的ランク ★★★★
制作元 アイン
ジャンル 視点選択式・恋愛アドベンチャー
定価 ¥7,800(税込¥8,190)
対応 Windows 98/2000/Me/XP/Vista
年齢制限 18禁
ボイス
小早川龍司
西田勇人
蒼井悟
岸本高水
風間塁
(青島刃)
(皇帝)
(平井達也)
(空乃太陽)
魁皇楽)
声優名一覧は→コチラ
攻略 攻略チャートは→【コチラ】
内容 元売れっ子ホストの小早川は、その面倒見の良さと少々の人恋しさから、それぞれ問題を抱える青年達を自分のマンションへ住まわせる。
手持ちの全財産をスられたスロプーの蒼井、詐欺により高額の借金を背負った勤労学生の西田、ある仕事のせいで暴漢に襲われた近所の大学生・岸本、そして充電期間と称して日々スロットに明け暮れる家主の小早川。
この4人の同居生活の行方は…?
 
シナリオ :studio may-be(高城響・鷹匠早紀)
原画 :麻生海
システム

機能
・テキストのスキップ:あり(既読判別:可)
・読み直し機能:あり(音声リプレイ:可)
・オートモード:あり(調節:可)
・CG鑑賞モード:あり(90+3枚)←パーツ替えを含むと335枚
・シーン鑑賞モード:あり(145 12シーン)
・BGM鑑賞モード:あり(15曲)
セーブポイント:200
・END:32

・右クリックリターン:可(設定により履歴時不可)
・マウススクロール:有効
・キャラ別音声オフ:可(キャラ別音量調節不可)
・アンサー機能:あり
感想 全体的にトーンは地味め。
シナリオにものすごい盛り上がりを期待する人には向きません。
エロも度を超えるほどハードではなし、しかしソフトでもなし。グロはなし。
絵は好き嫌いあれど、綺麗なタイプではないでしょうか。

総リバに視点切替と相変わらずのシナリオ量でお腹いっぱい。楽しめました。
ちなみに視点切替システムは、操作性はともかくとして、今までよりプレイしやすくなっています。

…しかし、個人的には今までの恋愛心理学シリーズより劣る印象。
心理描写がなんだか物足りない感? 書き込み自体はあるのですが…。
それでも、後からじわじわ来ます。やはりキャラが確立しているからだろうなぁ。
コミックスもCool-BのSSも良かった~。
どちらも、ラストにちょっと吹き出すようなシーンが混ざっているのが特に好き。落ちが良いと後味も良いです。

やや迷いましたが、しっかり作り込まれていることがわかるその質と、多少のひいきもこめて、★4つで。
地味めの舞台設定や独特のゲームシステムも相まって、万人向けとは言えませんが、丁寧な仕上がりの良作です。


■シナリオ
シナリオは読みやすいです。小説的なので長く感じる人もいるでしょう。
文章量のわりに誤字脱字も少なめ。ゼロでなかったのは残念ですが、充分許容範囲内かと。

生活感のある地味さは好みなのですが、シナリオに物足りない感が…。
もうちょっと突っ込んで欲しかったなぁ。
それぞれの恋愛ルートをもう少し長く読みたかった。カプ数多いのでこれ以上は難しいのでしょうが…。
え、もう告白?Hシーン?と思うことが多かったです。
たまに、なんでそこでそうなるの?と展開についていけないことも。納得し切れてない部分があり。
多彩なのは嬉しいけど、どうもピンとこないカプが多い。
自分の予想・期待と微妙に外れたキャラが多かったせいかなぁ。小早川はもうちょいしっかりしてくれ。
それもキャラの個性ではありますが…。

総リバで全12カプにHシーンを数回入れなければならない以上、多少の無理は仕方ないのでしょうか。
どのカプにも扱いの差が見られないのは素晴らしいとは思いますが…。
Hシーン1回でもいいから、そこに至るまでの経緯をもう少し細かく書いて欲しかったなぁ。
身体から入るのもアリですが、なんだか全カプそうなのはどうかと。
いい大人だって、少しずつ関係を深めていって初Hで終了でもいいじゃないか。
西田みたいなのではなく…。あれはうだうだしすぎてた。

地味めの話は、心理描写含めて、とにかくしっかり書き込んである方が好みです。
設定や雰囲気が派手であれば、脳内でごまかすことも可能なのですけどね。
そういえば、AM2:00でも似たようなこと思っていたっけ。
私にとって、リアルにはそれに足る描写が必要なので。

旧作のbirdieカフェリンなんかは、キャラの個性の強さと派手めの舞台とが相まって、充分すぎるくらいの書き込みに感じられたんだけどなぁ。
今作のスクエアな関係の方が圧倒的にシナリオ量が多いらしいのに。
押し出すモノがあるかないかでここまで受け取る情報量が違うのか、と改めて思いました。
ああ、でも、旧作と比べると視点選択式のゲームシステム自体は改善されてますね。そこらの詳細はシステムの方で書きますが、何となく作業感が低めな気がします。
単に慣れたせい? しかし、実際に負担が少なくなっているような…。

今回、一番好きだったカプは蒼井×岸本かな。細かい所を除けば、小早川×岸本が一番かも。
西田×岸本のエピローグも良かった。あれ? なぜか岸本受けばかり…。
ただ、岸本の性格はツンで弱腹黒な皮肉屋さんを想定していたため、プレイしてびっくり。黒い。やっぱりエピローグなどの後日談が好きです。

個人的には、お互いに主導権を取ろうとするようなシチュがなかったのは残念。全員が受け身の自分に納得しているのかなぁ、と。
そこまで覇気のあるキャラがいないだけ? それともルート内リバは禁忌?

どのカプでも後日談なら萌えられると思います。落ち着いてからの穏やかな話が好き。
ちなみに、おまけシナリオは超好み。萌えました。

1周のプレイ時間としては共通ルートで2時間、恋愛ルートで1時間~1時間半程度かな。
既読スキップあり・音声は基本的に聞くタイプです。
総プレイ時間は概算で、共通ルート2時間×4人+恋愛ルート12本×2視点×1時間半で44時間。

キャラ別プレイ日記は→コチラ  おまけシナリオのプレイ日記は→コチラ
 

■原画・CG・デザイン
原画は相変わらず好み。好きな絵柄です。
人にも寄るかとは思いますが、クセも少なめで取っ付きやすいのでは?
塗りは相変わらずのアイン塗り。綺麗です。
それほど血色は悪くありませんが、全体の雰囲気からか彩色のトーンも低め。
裸の多さも相変わらず。イベントCGの顔がたまに別人のように変わるのも相変わらず。
イベントCGの枚数は普通程度。差分が非常に多いので、回収漏れがあると大変かも。

立ち絵も意外と豊富でした。
しかし、小早川の赤面顔だけは、いつまでたっても慣れなかったなぁ。ちょいキモい。他キャラも決して赤面顔が似合っているとは言えず…。

背景も違和感はなかったので良かったかと。
システムデザインは比較的好み。使い勝手については一言ありますが、そこはシステムでかな。


■音声・BGM・SE
声優さんは今までの恋愛心理学シリーズとは完全に変わりましたが、最近のBLゲームでよくみかける名前が多く、安定していました。
その分、目新しさは少なめ。無難な線だと思います。
今回フルボイスではないのは、それぞれのギャラのせいとかもあるのでしょうか。高騰?
まあ、フルにするとその分だけでもそこそこの容量くいそうではありますが。
それか妥協するくらいならとすっぱり切ったとか?

その他特段の記載事項なし。普通です。
あ、たまにBGMの選曲が変…?と思うことはあったかも。


■システム
概ね使いやすいです。
セーブとロードの位置には当初戸惑いましたが、これだけ長時間プレイしていれば慣れます。
でも、やはりコメント枠の周囲にもあると便利だったな…。ちょっと遠い。
セーブポイントは大量にありますが、ルートが多いため管理が大変です。
コメント機能かどのルートに入っているかが分かる表示が欲しかったかな。
あと、セーブファイルを勝手にマイドキュメントに作るのは、やめて欲しかったかも。
せめて選ばせて…。

スキップが超高速で、攻略が非常にしやすいです。
ただ、途中での視点選択が…。
今回、CC(キャラクターチェンジ)機能が新たに搭載されており、その場での相手の思考をリアルタイムで見ることが出来ます。
前作までは、途中で裏視点に切り替えた場合、そのシーンの本視点で同キャラを見ても(まったく同じシナリオでも)、既読になりませんでした。
しかし今回は、CCで見たシナリオもちゃんと既読に反映されます。コレは便利。
しかも、細かいシナリオ差分まできちんと既読判別してくれるのが嬉しい。

CCでしか見られないシナリオも結構あるため、後からもう一度みたいこともあるのですが、これが面倒。
CC変換ポイントは5クリックの間しか表示されません。もし、既読スキップをかけていたら速攻でとばされます。表示されている間に止めるのがかなり難しく、結局手作業に…。
CC表示の時にスキップを中断できれば良かったなぁ。中断のオンオフ機能も必要。

あと、ゲームシステムとしては、アンサー機能というからには、もう少し答えが明示されていれば良かったかも。
何を選ぶとどのENDに行く、というような、これまでの恋愛心理学シリーズであったような情報が欠けていたような気が。
今の状態はせいぜいヒント機能ですよね。
あと、シーン名にどのカプのルートがわかる表示が欲しい。マウスを乗せた時に表示されるチップヘルプでも良いので…。攻略にはちょっと不便。

個人的には、プレイ中は右クリックでシステムメニューが開けると便利でした。
でもって、バックログ参照時に限っては、右クリックを押せば、設定問わず無条件でプレイ画面に戻れた方が良かった…。
あと、設定で「画面効果オフ」が欲しかったです。パフォーマンスを速度優先にしても、画面効果は残ったままだし。
アイキャッチや視点選択も含めて、画面効果が消えるの待つのは結構たるいです。Ctrlスキップいちいち押すのも面倒。押していましたが。

あと、最大の難点。他では話を聞かないので、これはおそらくPCの相性。
ゲームが何度も、本当に何度も、正常に動かなくなりました。
大抵、Excelやメモ帳に攻略や雑感を書いた後に発生することが多いかな。
ゲーム画面をいくらクリックしてもまったく反応なし。
そのクリックはゲームを非アクティブ化させると認識されるという…。
どうもアクティブの間は一切マウスのクリックを受け付けないらしい。ただし、スキップ中の視点選択だけは認識可能。マウススクロールも認識可能。
こうなった後は何回ゲームを落とそうが、メモリー掃除しようが、他ソフトを終了させようが無駄。
Windowsを再起動させるしか、方法がありません。ちなみにXPです。
このゲームプレイするために、一体何回再起動かけただろう…。30回? 40回?
こんなのは今までゲームしてきて初めてです…。Lamentoの再起動回数上回りましたよ。
アンインストールして再インストールでもすれば良かったのでしょうか。
(2007/09/29)