ボーイズラブゲーム 攻略&レビュー

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レビュー◆Lamento ~BEYOND THE VOID~

タイトル Lamento ~BEYOND THE VOID~
発売日 2006/10/27
私的ラン ★★★★☆
制作元 Nitro+chiral
ジャンル 猫耳ファンタジー ダーク系シリアス ビジュアルノベル
定価 ¥8500(税込¥8925)
対応 Windows98SE/Me/2000/XP
年齢制限 18禁
ボイス
波多野和俊
森川智之
春野風
舞幸運
犬野忠輔
小次郎
オイリーはな
笹沼晃
片岡大二郎
桜塚瞬一
木島宇太
中原茂
葉月ミカ
本田美奈
保村真
中村悠一
(コノエ)
(ライ)
(アサト)
(バルド)
(ラゼル)
(カルツ)
(ヴェルグ)
(フラウド)
(リークス)
(フィリ)
(トキノ)
(歌うたい)
カガリ
(マナ)
(キル)
(ウル)
※声優名一覧は→コチラ
攻略 攻略ページは→【コチラ】
内容 猫達の暮らす祇沙、そこに『虚ろ』という謎の現象が広がり続けている。
中には、その被害から重度の食糧難に陥り、「生贄」という手段を取る村もあった。
そんな末期的な状況にある村で暮らすコノエだったが、ある日、彼の体に変化が現れる。黒い痣のような文様が体に浮かび、耳と尾が黒く染まってしまったのだ。それは、不吉の象徴として古くから言い伝えられている呪いの証だった。
 ~~出よう、この村を。
共食いをせねば明日を生きられぬ猫たちに、話し合う余裕などない。
村の猫たちにこんな姿を見られたら…。危険を感じたコノエは、村を出ることを決意する。
目指すは祇沙で最も大きい街、藍閃。
藍閃なら、この身体を元に戻す方法が見つかるかも知れない。
そう信じて、コノエは『虚ろ』の危険に惑いながらも旅に出るのだった。

シナリオ :淵井鏑
原画 :たたなかな
システム

機能
・テキストのスキップ:あり(既読判別:可)
・読み直し機能:あり
・CG鑑賞モード:あり(90枚)←パーツ替えを含むと120枚  +背景53枚
・シーン鑑賞モード:あり(10シーン)
・BGM鑑賞モード:あり(32曲)
セーブポイント:60
・END:10

・右クリックリターン:ほぼ不可
・マウススクロール:有効 (オート時無効)
・マウスカーソル追尾:なし
・前の選択肢に戻る:あり
・キャラ別音声オフ:あり
感想 色々な意味でFateを彷彿とさせる大作(Fate並にすごいとか、そこまでの意味ではないです)。
ただ、物足りない。
世界観・テキスト・原画・CG・音楽・演出・ボリュームと、すべて前作を上回っているように思えるのに、萌えという点ではなぜか劣る。
あ、CG枚数は前作より少ないですね。ボリュームが倍なのに…。
ちなみに、咎狗より劣るというだけで、通常よりはるかに萌えています。いまだに各キャラ萌えできますし。
今となっては、なぜ咎狗にあそこまで萌えたのか、さっぱり覚えていないのですが。
でも、大作には違いないので、とりあえず★4.5で。
グッドEND3種類だけで、プレイ時間が39時間かかりました。オートのせいもあるけど、すご…。
(バッド回収分のプレイ時間はそう長くなかったので、総プレイ時間で40時間オーバーくらいか?)

あと、フリーズ多すぎ。


■シナリオ
久々に序盤からおもしろかったです。ただ、長すぎて途中で飽きましたが…。
決戦2日前くらいから一気にイベントが起こって楽しかったですね。この辺りのテンポの良さをもっと感じたかったなぁ。ここまでがホント長かったです。

甘くなるのもこのあたりからですし。甘々をもっと見たかった。
くっつくのが遅いので、日常的ないちゃつきが、雪の日とエピローグ以外まったくと言っていいほどないのは残念。
もしあれば、もっと萌えられただろうに…。日常のさりげない甘さに萌えるのですよ。
甘さの質は好みなので、量が少なめなのが本当に残念です。あー、物足りない。
萌え所が少ないよ…。

しかし、猫。これがこんなに良いものだとは…。発情期やら毛づくろいやら尻尾やら。
親愛の情を示すという毛づくろいをもっと見たかったなぁ。せっかくの設定が…。

今回も、それぞれキャラが立っていて、楽しかったです。
主人公のコノエがちゃんと男の子なのがいいですね。
あー、かわいい。めっさかわいい。かわいい猫は愛でたくなります。

やや気になったこと。シュイのあの非常識なまでの力は何なのでしょう。
いくら優秀だとしても、賛牙は攻撃や蘇生まで出来るのですか?
ホント、パパがなんでもしてあげるよ!な感じで…。導くくらいなら理解できるのですが。
そのせいで、なんだかすべてにおいてシュイが最強? 結末は全部かのキャラありきというか…、いいとこ取り?
もちろん、ハッピーENDはものすっごく嬉しいのですが、何か釈然としないというか…。
本来死ぬはずの状態から、何度コノエがよみがえったことか。しかも、毎回同じ方法で。

私は、ライ→アサト→バルドとクリアしたのですが、だんだん痣が出る理由がお座なりになっていくのが気になりました。
ライの時は『心を深く通じ合わせた相手』として、しっかり納得できたのですが…。
バルドなんて、発情期しか理由になってませんし。いや、萌えましたけどね。それだけなのか?と。
アサトの「今はそうじゃなくても、いつかそうなるんだ」「だから、あいつに痣が現れた」というセリフがすべてなのでしょうか。

なんだかんだで一番萌えたのは…。
ライとバルド、どちらか非常に悩みます。
毛づくろいを取るかエロ親父を取るか…。あー、迷う。かなり迷う。


■キャラ別プレイ日記・感想
 ライ ・ アサト ・ バルド


■原画・CG・デザイン
相変わらず、文句なしに綺麗。グレードアップしてます。
Hシーンが特に前作より好み。アップ時の粗さがいい味出てるかと。
かわいいよ、コノエ。絵が柔らかくなりました。好み。
でも、CG鑑賞モードが重いと、なかなか見返す気になれません。たまに軽い時もあるんだけどな…。
ついでに、そういえば咎狗の時ほど見返そうともしてないですね。うーん、萌えか…。

3Dの背景は、最初違和感を感じて仕方なかったのですが、プレイするうちに慣れてきたかな。

ゲームシステムデザインも凝っているとは思うのですが、一部使いにくい。
セーブ画面右下の動きなどは、目に入る度にかなり焦りました。バグで画面がぶれてるかのように感じてしまって…。すわ、フリーズかと。
あと、バックログも使いにくかったですね。
マニュアルに便利なスクロールバー付き!とあったわりには…。
ああいったスクロールバーは、シンプルにWindows準拠なタイプのがいいと思います。
変にデザインがあるせいで、どこを押せばいいのかなど、かなり操作しにくかったです。
ついでに、うまく動かせない中で何回もフリーズしたり…。


■BGM・SE・ボイス
BGM、最初はあまり気にしていなかったのですが、盛り上がるシーンはさすがですね。気持ちがかりたてられます。サントラ欲しいなぁ。
賛牙として歌う時に流れるテーマ曲と、ライルート・カガミ湖での誓いのシーンの曲が好き。

SEも比較的良く入っていたのでは。
でも、ギャグ的な音はあまりうまくなく、わざとらしさが目立ちました。他との差異で余計に…。異質。(シナリオにもその問題の一端はありますが)

ボイスはお見事。前作以上にお見事。
ぴったりすぎるくらい各キャラにハマっていました。キャラが多い分、圧巻です。
フラウドの声はたるかったですが、演技としては良い仕事してます。
個人的にヴェルグが勢いあって好きかも。メインキャラは言わずもがな。
カガリだけ、最後までどこか違和感があったな…。マナはいい感じだったのに。
声を聞いただけで、どんなキャラか伝わってくるのは良いですね。
当初、悪魔達があそこまで俗っぽく絡むとは思わず、どこまであのキャラ設定は見えるのかなぁと思ったものですが。


■システム
このLamento、一体どのくらいデバッグしたのでしょう。
ボリュームのせいなのか、演出に凝ったせいなのか、細かいミスがあまりに多い。
パッチ当てていなかったら、もっとひどかったのか…(現時点でVer,1.01の状態です)。
立ち絵や文字の動くタイミングのずれ程度の些細なものから、既読判別の不具合、音声の流れないセリフ、果てにはシナリオの矛盾まで。
最後のは、フラグの管理ミスなのか、すでに仕様なのか…。
ちょっと気になる部分が多かったですね。

さらに、ゲーム自体がかなりPCへの負荷が高いようで、とにかくフリーズしまくりました。
スペックは十分あるはずなので、相性も悪かったのかも…。
Pen4 2.8GHzにメモリ1GBあってもダメですか? 別の何かが足りなかったのでしょうか。

フリーズを除いても、動作の鈍さはなかなかのもの。
画面の切替に必ず2秒はかかる。特に鑑賞モードは鬼門。ひどい。
あと、ロードの遅さは致命的。
って、ロード時にバックログ全部残ってるのですが…。ホントに最初の最初から全部。
いや、いくらなんでもここまではいりません。ていうか、ありえない。
せいぜい、セーブ時のシーンが頭からあれば充分では? ロードが遅いのはこれのせいか…。

システム自体は基本的に高性能なのに、所々クソなのはなぜだろう。
一番ひどいのは、オート機能。
オート中は、Aボタンと右クリック以外の動作がすべて無効。
(矢印キーも有効なのには、かなり後で気付きました)
オート中は、Aボタンでないと解除できないし(しかも反応鈍い)、バックログをマウススクロールで操作することができないし、コメント枠消してもすぐ復活する。
さらにひどいのが、オート設定のまま、CG鑑賞モードを見た時。
CG開いても、自動的にすぐさま閉じられます。
なぜかオートが生きている様子。クリックしていないのに進んでいきます。
…いくらなんでも、この仕様は明らかにおかしいでしょ。
私はビジュアルノベルをプレイする時、オートで進めるタイプなので、これらの仕様にはかなーり不満でした。

右クリックリターンが全ページで有効だと楽だったんだけどな…。
カーソル追尾がないのも痛い。

あと、3キャラのグッドEND見ただけで、CONGRATULATIONSが表示されるのはどうかと思います。
コレは当初からの仕様? それともミス?
(2006/11/01) 追記:(2006/11/23)