ボーイズラブゲーム 攻略&レビュー

過去サイトの復刻版(2000年~2009年まで)

レビュー◆咎狗の血

タイトル 咎狗の血
発売日 2005/02/25
私的ランク ★★★★☆
制作元 Nitro+chiral
ジャンル True blood ADV(ビジュアルノベル
定価 \7800
対応 Windows98SE/Me/2000/XP
年齢制限 18禁
ボイス
先割れスプーン
緑川光
何武者
鬼龍院隼人
一条和矢
菱勝
富士爆発
杉崎和哉
奥田香織
滑川菊太郎
小池竹蔵
Prof.紫龍
(アキラ)
(シキ)
(ケイスケ)
(リン)
(源泉)
(アルビトロ)
(キリヲ)
(グンジ)
(エマ)
(グエン)
(猛)
(???)
※声優名一覧は→コチラ
攻略 各ルートへの入り方
内容 第三次世界大戦から数年、犯罪組織ヴィスキオに乗っ取られ、荒廃した街・トシマでは、組織の王座を巡る命を懸けたバトルゲーム・イグラが開催されている。
無実の罪を着せられた主人公・アキラは、無罪放免の交換条件に、イグラに参加してヴィスキオの王を倒すよう迫られた。
無法の街へと乗り込むアキラと、彼を巡る人間模様。
欲望、恐怖、裏切り、そして愛…、様々な激情と真実の交差がアキラの運命を変えていく…。

シナリオ :淵井鏑
原画 :たたなかな
システム

機能
・テキストのスキップ:あり(既読判別:可)
・読み直し機能:あり
・CG鑑賞モード:あり(109枚)←パーツ替えを含むと134枚
・シーン鑑賞モード:あり(23シーン)
・BGM鑑賞モード:あり(24曲)
セーブポイント:40+1
・END:12
感想 大作といって良いゲームではないかと思います。
まさに良作。非常に丁寧な仕上がりです。新規ブランドの一発目としては充分すぎる作品でしょう。
ただし、ハードアクションを期待する人には向きません。
そして、お手軽なボーイズラブを期待する人にも向きません。
自主性のないモテ主人公が駄目な人にも向きません。
全般的に心理描写を細かくすると言うよりも、細やかな行動描写でプレイヤーに心理を見せるという印象の方が強かったですね(しかし、直接的でないせいか恋愛感情が全般的にややいきなり感)。
萌えそうなポイントはいろいろと用意されています。全体的に唐突ではありますが。
正直恋愛まで達していないようなカプが多いですが、私の萌えツボにはヒットしまくりました。

ランクの星半分マイナス分はシステムのユーザビリティの悪さと一部のシナリオの粗に対して。王子と比較しても十分★5つに値するとも思ったのですが、やはり私はシナリオ・システム重視のようです。ほんのちょっと足りない。4.85くらい。
今も十分萌えてはいるのですが、もしカフェリンのちぃくらい突出した萌えキャラがいれば★5つだったでしょう。
カフェリンが★5なのはすべてちぃのせいです(笑)


■シナリオ
おもしろかったです。
作り込まれた世界観と深いキャラ設定。地に足の着いたシナリオ。こなれている文章。良い意味でも悪い意味でも“本格派”という印象を受けました。
しかし、CFC・日興連などの特殊な単語の説明がゲーム中にないのはどうかと。
プレイ中にわざわざオフィシャルまで確認しに行かなければなりませんでした。
しかもそれを読んでも初めの頃は正直よくわからなかったし。
ゲームの中にきっちり収めるのが鉄則だと思います。
そうでなければ、ゲーム内コンテンツに辞書を作るか。

また、その“本格派”に仕上げたいというスタッフの主張が伝わってくるようで、もうちょっと平易な文章にしても良いのではないかとも思いました。
例えるならば、小難しい漢字や単語を書き連ねて、難解で美しい文章の虚像を見せているかのような…。
非常に大げさな言い方をすると鼻につく感じかな。そこまで激しく感じたことではありませんが、わかりやすく言うとそんな感じ。
選択肢に入るまでの世界説明を含んだ導入部分も長いのですよね…。アキラに感情の起伏がないことも相まって淡々と進んでいくので飽きる部分があり。
2回目以降はスキップで問題なし。

シナリオのボリューム的には初回プレイですべて音声聞いて8時間半くらいです。
その後各ルート5時間ずつくらいかな。
今の私にとってはこのくらいのボリュームの方がいいかも。さっくり終わります。

設定を多く作りすぎたためか、一部の設定が使い切れていない感があり。
というか、一部の設定が忘れ去られてる? ゲーム開始時のアキラとゲーム終盤のアキラはだいぶ設定違う感じ。
そしてアキラが強くない…。ブラスターのチャンプも薬には勝てないから?
さらに、なんだか精神的にももろいですよね。情緒とかが幼児以下で。
結局は孤高の人間は強くないんだという主張なのかもしれませんが、このままだと薬が一番強いというメッセージに変わってしまう…。
イグラの試合がまったく行われないことにも違和感を覚えました。
最初の方の導入部をうまく削って、ちょっとは織りなして欲しかったなぁ。
なんか首をひねるような齟齬が何度かあった気がしましたが、展開萌えしすぎて覚えてないので大したことじゃなかったのでしょう。
まあ、ご都合主義はご愛敬。BLの世界で気にしちゃいけません、たぶん。

アキラの情緒が未成熟すぎて、私にとっては感情移入(というと語弊が…。共感しにくいという方が近い?)できるゲームではありませんでした。
一編の映画を見ているようで、それもまたおもしろかったですが。
源泉ルートなんかはアキラの心理描写も多少は細やかで、見ていて楽しかったですね~。唯一普通に恋愛してるルートかと。

しかし、萌えツボの刺激がものすごいです。見事にツボにジャストミート!
正直アキラがちゃんと恋愛してるのは源泉だけですが、それでも萌え。
源泉以外は恋愛と言うよりも情がわいたという方が近いなぁ。ラブじゃない。
微妙なのはアキラからの告白の仕方だな。これは源泉の時も微妙だったのですが。
うーん、どうも私の好みの答え方じゃないんですよね…。
主人公にはもうちょっとはっきりした自主性があると良かったのかも。

一番好きなEDは、シキルートのバッド2つ。軍服に激しく萌え。もう意味が無さすぎて笑えます。
そしてどちらもCGが非常に好み。特に隷属の方に萌え。すんごいラブラブ。
対して一番好きなHシーンは、源泉。ラブいから。(ただし、アキラを後ろから抱えているCGのシーンのみ。後半のCGはアキラの顔が怖いっす)
キャラとしてはリンだなぁ。大好きだ。

■キャラ別プレイ日記・感想(※完全ネタバレ)
 →リン・シキ  →ケイスケ・源泉
(プレイの時系列が下から上なので読みにくいです。スミマセン)


■原画・CG
素晴らしいの一言です。シナリオに満点をつけたことはありますが、CGに満点をつけたいと思ったのはこのゲームが初めて。
このクオリティの高さは他社に類を見ないところではないでしょうか。
ゲーム購入前はあまり好きなタイプの絵じゃないなぁと思っていたのですが、非常に良い方向の見当違いでした。今では萌え。
プレイヤーを飽きさせない構図、しっかりとした線画、丁寧な彩色、バラツキのない仕上がり。
特に構図と塗りには圧巻。
たまに顔が怖かったり、裸体がおかしなこともあったりしますが、他社に比べればしっかりしていると思います。
2Dと3Dの合成も比較的成功していると言えますが、武器系がやや調和していないものが目立ったかな…。
さらにパーツ替え含まないで109枚という枚数もすごい。ほしいと思ったシーンに必ずCGが出てくる、足りないと感じるCGが非常に少ないのは大きな利点だと思います。
ちなみに私があと1枚欲しいと思ったのは、源泉とのHシーン。今、2枚使われていますが、その間のシーンに独自CGが欲しかったですね。

普段、CG鑑賞モードは滅多に使わないのですが、このゲームには何度も見返したいCGが多くあります。
お気に入りCGをキャラ別に羅列してみると…
ケイスケがアキとソリド食べてるCG、裏ケイスケ登場CG、看病CG、手つないで歩いているCG。
リンが二人と腕を組んでるCG、写真を奪い取るCG、いっしょに写真を見ているCG、キスCG、看病CG、天体観測CG、シキとの決闘CG、ソファのアキラに飛びつくCG。
源泉がアルビトロに乗り込んだCG、アキラが馬乗りのCG、アキラを膝に載せているCG、毛布を一緒にかぶっているCG、アキラをかき抱くCG、顔面アップCG。
シキティ登場CG、対決CG、腹なめてるCG、お姫様だっこCG、喉に刃を突きつけるCG、剣の手入れCG、アキラを守るCG、妖艶奴隷CG、軍服CG。
nがアキラの手に口づけるCG、振り返って笑うCG、映画館のCG、逃亡EDCG。
選んでコレです。
リンが一番多いかと思いきや、シキティが一番多い(笑)


■サウンド
声優陣がものすごいです。とにかくどなたも演技が上手い人ばかり。
さらに役柄にもぴったりはまっています。
最初リンが意外と男前な声だなぁと思いましたが、後に納得。
二面性を演じ分けるケイスケとリン役のお二人には脱帽です。
これはもう見事と言うしかありません。裏ケイスケの声がエロイ(笑)
皆さん苦労されたらしいですね。絶叫多いは高めの声多いはで。
グンジは聞くからに大変そうだ…。お疲れさまです。

BGMも世界観にあってるかと。あまりちゃんと聞いてないですが
ループ再生がうまくできていないものもある様子。わざと??
24曲中4曲が歌ありのBGMです。BLゲームではめずらしいかな。


■システム・機能
ある程度、基本的なシステムはそろえられています…が、ユーザビリティは悪いです。
この辺、兄ブランドのシステムを使っているのなら、もっと改善されているべき部分じゃないんだろうか…。
様々なショートカットキー機能があるのは便利ですが、私はスキップ以外は(できればスキップも)マウスだけで操作する人間なので…。
このゲームはマウスからとなると、右クリックでメニューを開いてからでないと諸々の作業ができないのです。セーブ&ロード、コメント枠の削除、設定画面を開いたりするのに、2回クリックが必要なのは面倒。
しかも右クリックの反応遅いし。
仕方ないので、セーブしたい時はS、スキップの時はCtrl+N、オートモードはAをキーボードから押していました。
選択肢で止まるたびにCtrl+Nを押し直すのが面倒で…。選択肢後もスキップが継続できると良かったなぁ。というか、Ctrl+Nは押しづらいです。
スキップもShiftだと押しっぱなしにしないといけないのがめんどくさい…。
一回押したら早送りのままにして欲しい。Ctrl+Nと使い分けるためにあるのでしょうが…。
でも、Shift押しっぱなしにしていた時に未読の所が飛ばされることがあったので、それ以降はもう使いませんでしたね。

他のBLゲームのように画面上のアイコンをクリックしただけで、スキップやオートモードにできたり、セーブ画面が開けたり、コメント枠が削除できたりできれば良かったなぁ。
あと、プレイ画面以外での右クリックに「キャンセル」機能を付けてくれ…。
バックログ出した時とか、わざわざ右にあるアイコンクリックしないとゲームに戻れないのがかなり面倒です。CG鑑賞モードもEXIT押さないといけないのが面倒で。
バックログでボイスを聞き直せないのもマイナスポイント。
ちなみにプレイ画面での右クリックで設定画面が開けると良いんだけどなぁ。
(さらに右クリックの機能を選べると評価が高くなります)

システムだけは快適とは言い難かったです。他の部分がいいだけ、余計に。


■etc
初回版を購入したため、設定資料集が付属してきました。
リンの過去SSが嬉しかったvv
もうちょっと長めが読みたいところですね~。
アニメイトの特典CDも聞いたのですが、アキラ&ケイスケのWebドラマが非常にほのぼので萌え。
ドラマCD買っちゃうかも…。あー、どうしようかなぁ。評判次第? 迷います。
(2005/06/02)